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「ハミング」「ネィ」の効果

2017/07/24

こんにちは。
東京・吉祥寺 M&N Bit Of Sound ボイストレーニングスクール
ボイストレーナーのフルカワです。

 今回は【「ハミング」「ネィ」の効果】というお話です。このホームページ上でも、のど(声帯)や声の能力を高めていくトレーニングとして「ハミング」が、そして、音域を広げ(高い音が出るようになる)エッジをつけるトレーニングとして「ネィ」が紹介されていますが、今回はこれらのトレーニングを正しく適切に行うことで得られるであろう効果について、さらに深く掘り下げたお話をしていこうと思います。

 まず最初に、「倍音が整う」という効果についてお話しします。倍音とは何か・・・あえて簡単に説明しますと、倍音とは人間の声の中に含まれる成分の一つであり、この成分を整えてあげることによって抜け感のある声(マイク抜けが良い声だったり、通りの良い声だったり)になる、と言われている成分です。特にハミングのトレーニングで倍音を整えることができます。声に含まれる倍音が整うと、輪郭のはっきりした、明るくて、抜けの良い通る音となるので、一般的には聴き心地の良い声になるとも言われています。逆に倍音の整っていない声というのは、輪郭のぼんやりした、沈んでいるような、抜けの悪いこもった音になってしまいます。ハミングのトレーニングで鳴らしているのは鼻の奥の空間である鼻腔と呼ばれる部分で、ここを鳴らして(共鳴させて)あげることで、特に高い音をしっかりと響かせることができるようになります。逆に言えば、鼻腔を共鳴させられないと高い音をしっかりと響かせる倍音が鳴らないので、詰まったような苦しい感じの音になってしまうわけです。これはこの後に述べる「音域が広がる」という効果にも影響を及ぼします。そしてこの鼻腔を共鳴させる感覚なんですが、実は日本語という言語をを主に話している日本人にはあまり馴染みのない感覚だったりします。というのも、骨格的に日本人(東洋人)は外国人(西洋人など)に比べて鼻が低かったり彫りが浅かったりで、鼻腔の空間が狭く共鳴させにくい上に、日本語という言語の発音が鼻腔の共鳴をあまり必要としない言語だったりするわけです。まぁだからと言って整形手術しましょうとか、マルチリンガルになりましょうとか、そういう話ではありません。ハミングの練習を正しく適切に行って、鼻腔を共鳴させる感覚を養い、倍音を綺麗に整えてあげることで、良い声を目指しましょう!ということなんです。鼻のそんなに高くない私フルカワも、このトレーニングで倍音が整い、声に磨きをかけることができましたから!きっとあなたも・・・!笑

 次に、「音域が広がる」という効果についてです。これは主にネィのトレーニングで得られる効果になります。このネィのトレーニングはある種筋トレのようなもので、声帯を閉める筋肉を鍛えることができると言われています。声帯を閉める筋肉を鍛えられれば、声帯を閉めやすくなり、声帯が閉まると空気の通り道が狭くなるわけですから、音は高くなる。したがって、高い音が鳴らしやすくなる=音域が広がる、というわけです。音域が広がる、といっても二種類あります。例えば、歌えなくはない曲なんだけど、ちょっと音域が高くてかなり疲れてしまう・・・という曲が楽に歌えるようになったりするパターン。そして、今まで出なかった音域が出るようになったので、今まで歌えた試しのない曲が歌えるようになったりするパターンです。夢のような話が現実になります!だなんて言うと大げさかもしれませんが、私自身も、私のレッスンを受けた生徒さんも、音域がどんどん広がっています。限界に挑戦するつもりでコツコツやっていきたいですね。

 さらに、「瞬発力がつく」という効果も期待出来ます。太腿やお尻の筋肉を鍛えればダッシュ力やジャンプ力が上がるように、声帯を閉める筋肉をしっかり鍛えることができれば、声帯の動きにも瞬発力がついてきます。これはいきなり高い声を出そうとするときや、いきなり大きな声を出そうとするときなどに有効です。序盤のメロディーラインは落ち着いた低めの音程だったのが、サビになると突然1オクターブ上がるような曲だったり、サビのかなり高めの音から歌い始めなければならない曲だったり、マイケルジャクソンのように、曲の最中に何の脈略もなくいきなり高い音でシャウトしてみたり。そういった場合には、タイミングを見計らって声帯を素早く閉める力が必要となります。またロックやソウルを歌う際などに、いきなり大きな声でシャウトしてみたり、アタックなどを上手に効かせてパンチのある声で歌い始めてみたりするようなスキルが求められることがあります。そういった場合には、肺から声帯に送られてくる息の量が突然増えるので、その呼気に負けないような声帯の閉める力が必要ですし、呼気の上がってくるタイミングに合わせて声帯を締めるコントロールができなくてはいけません。しっかりと瞬発力をつけてパワフルな表現ができるように練習していきましょう。

 最後に、「柔らかくしなやかな声帯になる」という効果について。先ほどの「瞬発力」の話ではパワフル方面の具体例を挙げましたが、やはりパワフルなだけではダメで、その声帯を柔らかくしなやかに使いこなせるようにならなければならないわけですが、なんとこれも同時に鍛えられてしまうのです。例えるならば、筋骨隆々としたダンサーさんが、しなやかに身体を動かしているような感じですね。そしてそんな柔らかさやしなやかさを身につけることができると得られる力が、ものまね力です。ものまねというと二番煎じ的な感じであまり良い印象ではないかもしれませんが、技術を盗む力、と言い換えてあげれば、その重要性も理解していただけるかと思います。素晴らしいボーカリストの歌に惚れ惚れしても、ものまね力がなければその技術を取り込むことはできませんし、レッスン中のトレーナーからの指示にも上手に反応できなくてイライラ、なんてことにもなりかねません。頑張って柔らかくしなやかに動く声帯を作っていきましょう。そしてものまね力がついてくると、当然のことながら聴く力、聴き分ける力も同時に養われてきます。自分の声とお手本となるトレーナーの声を比較しながら、より良い方向に進んでいくのがボイストレーニングのレッスンですし、何か楽曲をカバーするときやカラオケで歌ったりするときにも、そのオリジナルを歌ってる人との比較をしながらより理想の歌に近づこうとしていくわけで、そうこうしているうちに聴く力もしっかりついてくるわけです。そうすると、ただ好き嫌いで聴いていた音楽が、発声がナチュラルなのかどうか、リズムやピッチが正確なのかどうか、楽曲としてのクオリティーが高いのかどうか、でも聞くことができるようになります。声帯を鍛えながら耳まで良くなってしまう。一挙両得。どんどんやっていきましょう。

 さてさて。以上のような効果が期待できるわけですが、このハミングとネィのトレーニングには、語りたいポイントや注意していただきたいポイントがまだまだたくさんあります。かなり長くなってしまったので、残りは次回に譲りたいと思います。乞うご期待!お楽しみに!

それでは!今日も良いボイトレを!