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リップロールの練習法

2017/07/10

こんにちは。
東京・吉祥寺 M&N Bit Of Sound ボイストレーニングスクール ボイストレーナーのフルカワです。

今回は【リップロールの練習法】というお話です。リップロールはリップトリルと呼ばれることもあります。息を吐きながら唇を震わせてブルブルブルブルブル・・・という音を出す発声法で、声帯にかかる負担が少ない発声法なので、主にウォーミングアップやクールダウンで使われます。このボイストレーニング講座でも何度か出てきていますし、このホームページ上でもこちらで紹介していますが、今回はこのリップロールに関する注意点や練習法など、少し深く掘り下げてお話ししてみようと思います。

リップロールは、ただ単に唇を震わせてブルブルしておけば良いというものではありません。当然正しいやり方、理想的なやり方というものがありますので、まずはそこからお話ししていこうと思います。そもそもポップスの発声の基本というのは、声帯で作った音を、頭や身体に(内側に)響かせることなく、口からストレートに(外側に)声を出していく、というものなので、リップロールも頭や身体で響いてしまったり、こもるような音が鳴ってしまった場合は、あまり理想的だとは言えません。しっかりと身体の外側に音が抜けていくように練習してみましょう。もし上手くいかない場合は、腹式呼吸でしっかり息を吐くことを意識しながら、頬を両手でぎゅっと押さえながら内側に寄せてリップロールを鳴らしてみてください。これはホースで水を撒く時に出口をぎゅっと握ってあげると勢いよく水が出てくるのと同じ原理で、頬を押さえながらリップロールをしてあげると息が吐きやすくなり、声も前(外側)に出やすくなります。また、口角が下がっている状態よりも上がっている状態の方が、下唇よりも上唇の方が強く震えているような状態の方が、リップロールはやりやすいようです。ぜひ鏡を見ながら、唇の形や無駄な力が入っていないかどうかなどをチェックしてみてくださいね。

上手にリップロールができるようになったら、今度は音の大きさを変えてみたり、音の高さを変えてみたりしましょう。自分にとって最もリップロールがやりやすい音量や音程を知っているというのは、自分の声帯の能力や個性を知るという点においてもとても大事なことですし、これがわかれば、そこを基準にして、より高い音や低い音、より大きな音や小さな音を、より負担を少なくしながら出せるようになるきっかけがつかめるかもしれません。いろいろと研究していきましょう。また、リップロールは、基本的には裏声で高い音で鳴らすことが多かったりするのですが、少し力を加えつつ音も低くしていきながら、じわじわと表の声寄りの音にしていくのも良い練習になります。強めの音で、かつノドがリラックスした状態で鳴らすことができればとても理想的です。それが出来たら、次はそのまま、ある程度大きな音のままで、音を少しずつ高くしていくことにもチャレンジしてみましょう。大きくて高い音をリラックスして鳴らせるようになるというのは、ボイストレーニングのみならず、歌うということにおいて最も難しい技能のうちの一つでもあります。くれぐれも無理をしすぎないように、できる範囲でチャレンジしてみてください。

さらに、このリップロールを使って、楽曲を歌う練習もぜひやってみていただきたいと思います。この時に、実際に歌っている時のような抑揚のつけ方だったり力の入れ具合だったりで歌っていくのも良いですが、抑揚など一切つけることなく、吐き出す息の量や力の加え方をできるだけ変えないように歌っていく練習をオススメします。この練習をすることで、息の量のコントロールが難しいところ(=音量のばらつきが出やすいところ)や力が入りやすいところがどこなのか気づきやすくなりますし、リラックスした状態でその楽曲を歌いきる練習にもなります。リップロールはそもそもが負荷がかかりにくい発声法なので、実際を歌詞を入れてみたり抑揚をつけてみたりする前の段階でたくさん練習することもでき、その楽曲の理解度を上げる助けにもなってくれるでしょう。難易度の高いフレーズも、まずはリップロールでしっかり歌えるようになってから。頑張ってみてください。

また、このリップロールですが、皆さんはどのくらい長く続けることができるでしょうか?陸上の長距離やら水泳やら、持久力を求められるスポーツの経験のある方や、吹奏楽などで管楽器を担当していらした方などは、きっと肺活量が人並み以上にあるはずなので、長続きさせられる方が多いのではないかと思われます。ただ、だからといって走りましょう泳ぎましょうという話ではなく、肺活量が少なくても、効率よく息を吐き出せたり、吐く息の量を自由自在に調節できたりすれば、それなりに長く続けられるわけで、肺活量自慢の方でも息の吐き方の調節が下手なら長くは続けられませんよ、ということです。ここでポイントになるのが、腹式呼吸がなぜ大切なのか、というお話です。このホームページ上でもこちらで紹介していますが、発声時に腹式呼吸をするべきである理由は、吐き出す息の量のコントロールがしやすくなるからです。腹式呼吸が上手にできる=呼吸を自在に操れる、ということなので、腹式呼吸が上手にできるのならば効率よくリップロールを続けられる最適な息の量を見出すことができる、ということになります。「力を入れる」「勢いに頼る」というのは比較的簡単なことですが、「脱力する」「勢いに頼らない」というのは非常に難しいことです。腹式呼吸と上手にリンクさせながら、リラックスした状態で長く続けられるように練習してみてください。

様々な工夫を凝らしながらリップロールの練習をすることによって、単なるウォームアップにとどまらず、自分のスキルやコントロール能力が向上しているかどうかをチェックすることもできます。現状を把握しつつ、様々な可能性を探ってみてください。また、ウォームアップやクールダウンで使われるくらいなので、負荷がかかりにくいのがリップロールの良い点ではありますが、くれぐれも無理は禁物です。頑張りすぎないようにしてくださいね。

それでは!今日も良いボイトレを!