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ミックスボイス・ミドルボイスの発声法と練習方法

2017/03/27

こんにちは。
東京・吉祥寺 M&N Bit Of Sound ボイストレーニングスクール
ボイストレーナーのフルカワです。

今回は、【ミックスボイス・ミドルボイスの発声法と練習方法】というお話です。

今回もボイストレーニング界隈でよく耳にする(目にする)専門用語の解説をしていきます。地声裏声の中間に位置している発声法として、一般的にはミックスボイスとミドルボイスという言葉がよく使われていますが、当スクールではハーフトーンボイスという言葉を主に使っておりますので、まずはその違いから説明していきたいと思います。

ミックスボイスやミドルボイスというのは、裏声を強めに発声しているものであるとか、地声と裏声を混ぜたものであるというふうに定義されることが多いのですが、ハーフトーンボイスというのは、裏声でもなく地声でもない、全く別物の声であるという理解をしていただければと思います。ミックスボイスやミドルボイスは地声に裏声を混ぜていくような発声をするので、音が高くなっていけば自然と裏声になってしまいますが、ハーフトーンボイスというのは、音域がどこまで高くなってもハーフトンボイスのままですし、逆に音域がどこまで低くなってもハーフトーンボイスのままです。したがって、地声で音を高くしていくと裏返ってしまったり、裏声を低くしていくと地声に戻ってしまうポイント(換声点)が存在しません。正しい声帯の使い方さえ出来れば、音域の限界点までそのままの声で発声できてしまうのがハーフトーンボイスです。私の個人的な感覚だと、表の声ほどパンチの効いた声ではないけれど、裏声よりも芯のある歌声であるという印象です。

ハーフトーンボイスの時の声帯の動きは、地声の時と裏声の時のちょうど中間のような感じになります。地声の時には声帯を閉じる筋肉を働かせながら短く分厚い状態にして発声していきますが、裏声の時には声帯を伸ばして振動する部分を薄くしながら発声していきますので、厚くもなく薄くもない中間の状態を保ったままで発声するという感じです。(これはなかなか言葉だけでは理解に苦しむ部分だと思いますので、実際にトレーナーに発声してもらうか、参考となる音源を聴いてイメージを膨らませ理解を深めるしかないと思います。参考音源はまた次回。)

ハーフトーンボイスで歌うことのメリットについてですが、まずは先ほど述べた「換声点」が存在しないことによって、高い音から低い音までほぼ同じような声質で歌えるので、歌に安定感が出てくるという点です。低い音域の部分は力強く歌えているのに、高い音域になった途端に裏声混じりの弱々しい声になってしまう、などという悩みも改善することが可能です。また表の声ほど発声するときに力を使わないので、無駄な力が入るなど疲労が蓄積するリスクも少なくできますし、裏声よりも息漏れが少なく発声できるので、長いフレーズを一息で歌いきれるようになったり、ロングトーンもやりやすくなります。そしてハーフトーンボイスは、話すように自然に発声することができるとも言えるので、スピードが速かったり言葉数が多い楽曲にも対応しやすい発声になります。ナチュラルな声帯の使い方が出来ずに息の混ぜ方や力の加え方を間違えてしまうと不安定になってしまうというデメリットこそありますが、しっかり練習して声帯の使い方を習得した上で上手にコントロールできるようなりさえすれば、おそらくポップス系の楽曲を歌う上で最も便利な発声法であると言っても過言ではないでしょう。

ではここで、ハーフトーンボイスを上手に鳴らすための練習法を紹介します。まずはリップロールを使います。無駄な力が抜けてリラックスした状態でリップロールを正しく鳴らせている時、それは大抵ハーフトーンボイスにかなり近い発声になっているはずです。その時の声帯のリラックスした感じを保ちつつ、低い音から高い音にゆっくり上がっていったり、高い音から低い音にゆっくり下がっていったりします。その際に、力の加え方、声帯の位置、息の吐き具合が、音程にかかわらず出来る限り一定になるように気をつけましょう。また、換声点の付近の音域で不安定にならないように注意しましょう。次は息声です。これは表の声を出している時よりもかなり力を抜いた状態で、音量は小さめで、息を多めに混ぜながら発声する練習法です。低い音の方が息をより混ぜやすいので、低い音からスタートして高い音までゆっくり上がっていきます。この時、高い音になってもなるべく力の加え方と音量は変えずに、そのまま高くしていきましょう。そして高い音になった時に裏返らないように気をつけましょう。低い音を出している時よりも少し力を加えるような感じになっても構いません。そしてその時に混ざる息の量も少し減ってしまっても構いません。力を入れすぎて表の声にならないように、そして先ほども述べたように裏に逃げないように、上手にコントロールしながら、楽に鳴らせるようにしていきましょう。また、ハーフトーンボイスが上手に鳴らせているかどうか、ナチュラルな発声になっているかどうかは、なかなか判断するのが難しいです。トレーナーと丁寧に確認していきながら、少しずつ完成度を上げていきましょうね。

それでは!今日も良いボイトレを!