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ミックスボイス・ミドルボイスの実例

2017/04/10

こんにちは。
東京・吉祥寺 M&N Bit Of Sound ボイストレーニングスクール
ボイストレーナーのフルカワです。

今回は、【ミックスボイス・ミドルボイスの実例】というお話です。先週に引き続いての内容となります。様々な具体例(動画)を挙げて検証していきたいと思います。ミックスボイスやミドルボイスではなくハーフトーンボイスという言葉を用いるという話を前回しましたが、そのハーフトーンボイスの様々なタイプの好例を挙げてみました。

まずは皆様ご存知 Janet Jackson です。お兄さんの Michael ももちろん素晴らしいのですが、ここはあえて柔らかく優しい女性ボーカルからスタートしてみました。吐息混じりだったり抜け感が鋭かったり、様々な表情を見せてくれますが、前回の記事の「表の声ほどパンチの効いた声ではないけれど、裏声よりも芯のある歌声」というイメージを最も分かりやすく体現してくれるボーカリストの一人だと思います。

Janet Jackson – Any Time, Any Place
https://www.youtube.com/watch?v=3HO9H1VMMOk

女性ボーカルを続けます。Corinne Bailey Rae です。この人の声もとても柔らかく表情豊かで、まるでお喋りしているような感じもあり、話し声の延長線上に歌声があるような印象です。ハーフトーンボイスというのはこのような歌い方をするのに最も適した発声とも言えますし、飾り立てすぎない、頑張りすぎない、ナチュラルな声で表現することのできる発声法だと理解していただければと思います。

Corinne Bailey Rae – Put Your Records On
https://www.youtube.com/watch?v=oWQl00LWEwE

そして女性ボーカルをもう一人。Esperanza Spalding が Stevie Wonder の名曲 “Overjoyed” を、ウッドベースを弾きながら歌っています。Janet Jackson とは一味違う表情の豊かさがありますね。声の大小や音の高低だけでなくリズムでもしっかり抑揚をつけています。この自由さを表現するには表の声や裏声のみでは難しいかなと思います。

Esperanza Spalding – Overjoyed
https://www.youtube.com/watch?v=CZ2o5CWCOgk

最後は Sheryl Crow と Sting のデュエットです。それぞれが素晴らしいのはもちろんのこと、ハーモニーになった時の響きあう感じが抜群です。ハーフトーンボイス同士で響きあう感覚は、聴いていても良いですし、実際に歌ってみてそれが出来た時にはとても心地よいハーモニーになります。快感です。(ちなみに Sting の音源は過去に書いた【歌う時の姿勢】の記事にも貼ってあります。素晴らしいハーフトーンボイスですので是非チェックしてみてください。)

Sheryl Crow – Always On Your Side ft. Sting
https://www.youtube.com/watch?v=FseuxxcTlvA

続いてここからは男性ボーカルを紹介します。まずは Maroon 5 です。このバンドのボーカル Adam Levine は個人的にも大好きなボーカリストで、発声だけでなく、リズム感、スピード感、グルーブ感、どれをとっても一級品だと思います。よく聞いていただくとわかると思うのですが、この曲のメロディーラインはとても複雑で、よくこんな難しい曲を簡単に歌ってしまうなぁと、何度聞いても聞き惚れてしまいます。複雑なメロディーラインを自在に歌いこなすには、ハーフトーン以外には考えられません。

Maroon 5 – Moves Like Jagger
https://www.youtube.com/watch?v=H7s80FB8418

次は Jason Mraz です。今回挙げる音源はバンドでの演奏ですが、ギターやウクレレの弾き語りなどもこなすボーカリストで、先ほどの Adam Levine とは少しタイプの違う、柔らかくて透明感のある声ですが、途中でシャウトを織り交ぜてみたり、裏声寄りの声から表声寄りの声に自在に行き来したり、スキャットを軽〜く入れてみたり、非常に多彩です。ハーフトーンボイスの良さを最大限活かせるボーカリストの一人だと思います。

Jason Mraz – Butterfly
https://www.youtube.com/watch?v=GvNv9qTgEJE

続いては Brian McKnight のピアノ弾き語りの動画です。柔らかい声質と豊かな表現力という、これまで挙げてきたボーカリストと共通の特徴を当たり前のように備えつつ、フェイクと呼ばれる歌唱法(本来のメロディーを変化させながら自由に歌う技術)を惜しげもなく多用している部分が印象的ですね。もちろんフェイクのような複雑な音の動きにはハーフトーンボイスを使うのが最適です。オリジナルとの聴き比べもしていただけると素晴らしさがより理解できるのではないかと思います。

Brian McKnight – Back at One
https://www.youtube.com/watch?v=zPrSFKK6e5w

最後に Usher の動画なんですが、この動画ではあの Marvin Gaye の名曲をメドレーでカバーしています。アコースティックなスタイルにもよく合うハーフトーンですが、Marvin Gaye 自身もハーフトーンボイスの使い手でもあります。こちらも先ほどの動画と同様に聴き比べをしていただくとより理解が深まるのではないかと思います。

Usher – Mercy Mercy Me / What’s Going On Medley 
https://www.youtube.com/watch?v=gov1WDIgybk

いかがでしたでしょうか。「表の声ほどパンチの効いた声ではないけれど、裏声よりも芯のある歌声」という感じの良いイメージが湧いてきたでしょうか。関連する動画なども時間の許す限り見ていただいて、良いイメージをしっかり持って練習していただきたいと思います。またハーフトーンボイスで歌うときには、特に呼吸に気をつけていただきたいと思います。吐き出す息の量のバランスを間違えて裏声に逃げてしまったり、逆に力が入りすぎて息が混ざりにくくなった挙句表の声になってしまった・・・なんてことがないように、吐き出す息の量のコントロールがしやすい腹式呼吸で練習していくことをお勧めします。ハーフトーンボイスを上手に使って歌うんだ!と気負いすぎるのも、もちろん良いことではありません。リラックスして、無理をしない。頑張らないことが大切です。トレーナーにしっかりサポートしてもらいながら、理想のハーフトーンボイスに近づいていきましょう。

それでは!今日も良いボイトレを!

・・・という締めの言葉を書いておきながら、やはりどうしてもこの動画だけは挙げておきたかったので、最後の最後に、こちらでハーフトーンボイスを締めくくっていただければと思います。

Michael Jackson – She’s Out of My Life 
https://www.youtube.com/watch?v=6DQJPL9Yuq0