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テンポとリズム

2017/12/11

こんにちは。
東京・吉祥寺 M&N Bit Of Sound ボイストレーニングスクール
ボイストレーナーのフルカワです。

 
今回は【テンポとリズム】というお話です。
ボイストレーニングをギターやピアノと一緒に、もしくはレッスンの録音などと共に行うのと同様に、歌を歌うときにも、ギターやピアノを弾きながら、バンドの演奏と一緒に、アカペラでグループで、はたまたカラオケで、などなど、何かと一緒に歌う事が多いのではないかと思います。
以前にも【聴くことの重要性】という記事で書きましたが、自分の声だけでなく周りの楽器などの音をしっかり聴きながら歌うことが大切なのは、もはや言うまでもありませんね。
何かと一緒に歌う、その中で、テンポやリズムをしっかり掴みながら歌う事、そしてその先にある一体感を探りながら歌っていく事が、音楽の本質的な部分であったり、さらなる面白さを発見するきっかけとなります。
今回はそこのところを具体例を交えながら説明していきたいと思います。

まずは質問です。
みなさん、テンポとリズムの違いって、説明できますか?
感覚的にはなんとなく理解できていても、説明しろといきなり言われるとなかなか難しいかもしれませんね。
ここで、大人向けのものだとなんだか難しそうだったので、
小学生向けの辞書でどう説明されているのか調べてみました。すると、
〔テンポ〕は、①音楽で、曲の速さ。②物事の進む速さ。
〔リズム〕は、①音の強弱や長短の、規則正しい繰り返し。②物事の規則正しい繰り返し。

とありました。(チャレンジ小学国語辞典 第6版 より抜粋)
どうやら「速さ」という言葉と「繰り返し」という言葉がポイントになりそうですね。ある一定の「速さ」で奏でられる楽曲の中に規則的な「繰り返し」が存在するというのが「楽曲」である、とも言えるかもしれません。

例えば、BPM( = Beats Per Minute の頭文字の略。一分間に何回拍を刻むのか、という意味。60BPMであれば一分間に60拍、すなわち一秒に一拍となる。)という言葉があって、BPMの数値が上がればその曲のテンポは速くなり、下がればその曲のテンポは遅くなります。そして、その速さが決まった上でどんなリズムの楽曲になるのかが決まります。

リズムについては、三拍子、四拍子、8ビート、16ビートなどなど様々な種類や呼び方があるので、ここから代表的なものを動画で解説していきたいと思います。お時間があるときに、イヤフォンやヘッドフォンなどでじっくり聴いて分析していただければと思います。

 
まずは三拍子・四拍子・五拍子についてです。

最初は三拍子から。
基本的には〔123/123/123/123/1・・・〕〔強・弱・弱・強・弱・弱・・・〕という感じで、三角形を描きながら指揮をすることもできるのが三拍子ですね。動画はかなり昔のものとなりますが、皆さんきっとご存知の、「そうだ 京都、行こう。」でお馴染みの、あの曲です。

My Favorite Things – Diana Ross & The Supremes
https://www.youtube.com/watch?v=jzR6ojxQDjI

 
次に、四拍子を飛ばして、五拍子から説明したいと思います。
初めて聞いたという方もいらっしゃるかもしれませんが、Jazzはもちろん、Rockなどのジャンルにも普通に存在しています。
基本的には〔12345/12345/12345/1・・・〕〔強・弱・弱・強・弱・・・〕という感じになりますが、〔123+12/123+12/123+12/1・・・〕という感じで三拍子と二拍子の合わさったものだと解釈して良い場合が多いです。
他にも四拍子と三拍子に分解できる七拍子があったり、複雑なものはどんどん複雑になりますが、ここではとりあえず五拍子の代表とも言える曲を紹介しておきます。

Take 5 – Al Jarreau & Kurt Elling
https://www.youtube.com/watch?v=jLMzZ09VvL8

 
そして四拍子です。
これが最もポピュラーなリズムなのではないかなと思います。
基本的には〔1234/1234/1234/1・・・〕〔強・弱・強・弱・・・〕という感じになりますね。そこでさらに、先ほども書きましたが、8ビートと16ビートという言葉の説明もついでにしておこうと思います。
簡単に言うと、8ビートは先ほどの〔1234〕の中で、ビートが8回刻まれるのが基本、というリズムで、16ビートは〔1234〕の中で、ビートが16回刻まれるのが基本、というリズムになります。
下に二つの音源を載せましたが、最初の音源は8ビートで、次の音源が16ビートになります。とにかくドラムやベースの音の刻み具合、そして演者の身体の動きにも注目していただければと思います。

Billie Jean – Michael Jackson
https://www.youtube.com/watch?v=45Ph_MXIP1o

I Keep Forgettin (Every Time You’re Near)  – Michael McDonald
https://www.youtube.com/watch?v=5uIqeujP0Zs

さて。代表的なリズムをいくつか紹介したところで、もう一つ別の視点からのリズムについてのお話です。
リズムがタイト(tight)だとかルーズ(loose)だとか、そう言った表現を聞いてピンとくるでしょうか?よく「タイトなスケジュール」とか「時間にルーズ」とかいう表現を耳にすることもありますよね?あれに感覚としては近いですが、音楽方面では、タイトは「ぴったり」で、ルーズは「ゆとりのある」と解釈することが多いです。では「タイトなリズム」や「ルーズなリズム」とはどのようなものか。これも動画で解説いたしましょう。

まずはリズムのタイトな楽曲を3曲セレクトしてみました。
シャープさだったり疾走感だったり一体感だったりがスゴイと感じられるのではないかと思います。楽譜を想像していただいて、横軸が「それぞれの楽器の奏でるべきメロディーライン」だとすると、縦軸は「それぞれの楽器の出した音の重なり」だと言えるわけですが、タイトなリズムというのは、この縦軸が「ぴったり」揃っている気持ち良さを感じていただきたいわけです。
ちなみに3曲目にセレクトした動画は、どちらかというとボーカルの Stevie Wonder よりもむしろドラムの Steve Gadd の演奏の方を個人的には聴いていただきたいと思ってたりします。最後のキメなんてもうたまらないです。

Baby – Dirty Loops (Justin Bieber cover)
https://www.youtube.com/watch?v=KjVGJ3YFDc8

O Sen Sen – Richard Bona & Raul Midon
https://www.youtube.com/watch?v=3BfEUDGsYW4

Higher Ground – Stevie Wonder & Steve Gadd 
https://www.youtube.com/watch?v=VZjV22kZUpA

 
そしてリズムがルーズな楽曲も3曲セレクトしてみました。
こちらは先ほどのタイトなものに比べると、また違った種類の一体感というか、うねるような勢いを感じていただけるのではないかと思います。一拍をとても長く感じながら演奏しているようにも聴こえますが、ブラックミュージックにこのようなパターンのリズムが多く取り入れられており、HipHopやjazzなどでよく耳にします。ドラムやベースなどの音が少し遅れているように聞こえなくはないけど、気持ち悪いズレではなく、むしろ癖になる・・・そんな「ゆとりのある」リズムに体を揺らしていただければと思います。

Cruisin’ – D’Angelo 
https://www.youtube.com/watch?v=JAfuUZRou7g

The Joint – Roy Hargrove
https://www.youtube.com/watch?v=tW6gDOSVVCw

Fu-Gee-La – The Fugees
https://www.youtube.com/watch?v=MPlb9HoOCxs

 
それぞれのリズムの特徴や違いを理解していただきましたでしょうか?
どんな楽曲を歌う場合でも、その楽曲のテンポやリズムをしっかり感じながら歌っていただきたいわけですが、まずはこの記事を読んで動画を視ていていただいて、なんとなくアタマで理解していただけると良いかと思います。
ここに挙げた楽曲以外にも様々な楽曲をどんどん聴いて分析していただいて、リズムについての理解を深めていってくださいね。また、理解を深めた上でどのような点に気をつけて練習していけば良いのか、どのようにカラダ(=声帯)を動かせばいいのか、についてのお話をせねばなりませんが、長くなってしまったのでそれについてはまた次回の記事で書こうと思います。お楽しみに。

 
それでは!今日も良いボイトレを!