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ビブラートのかけ方

2017/01/23

ビブラートとはなんぞや?と言われて、たいていの方はそれがどんなものなのかが簡単にイメージできるのではないかと思います。表現の幅を広げたり歌を上手に聞かせるためのテクニックとして、あまりにも有名ですね。ただそうであるがゆえに、様々な誤解や誤った練習法も存在してしまっています。今回はそんなビブラートの正しいかけ方や、コツをつかむための具体的な練習方法、そして実際に歌うときにどういったことに気をつければいいのかについて書いていきたいと思います。

まずそもそもビブラートとは何か。これをあえて言葉で説明するとすれば、『語尾などで声を伸ばしていく際に、その音を規則的に揺らすテクニック』といったところでしょうか。一定の幅(音の高さ)で、一定の間隔(長さ)で、波のように揺らしていくことが求められます。自由自在に操るためにはしっかりとトレーニングしなければならないのですが、まずは誤解を解いていくことから話を始めたいと思います。

まずは、ビブラートができないと上手に歌うことができない、という誤解。ビブラートは技術のうちの一つなので、できないよりもできたほうがいいですが、必ずしもできないとダメだというわけではありません。無理にビブラートをかけようとして声帯の使い方を含めた全体のバランスを崩してしまうようならビブラートは行わないほうが良いですし、ビブラート無しでもいい感じに歌える方法を探っていけば良いと思います。次に、ビブラートはどんな曲でも常に同じ幅で行なうものである、という誤解。これは曲のテンポやスピード感によって適切な幅があるはずなので、それに応じて様々なパターンを試しながら最適な幅を見つけていくというのが正解です。どんな曲でも同じ幅でしか出来ない!と言う場合は、自由に動かせるようになるまでトレーニングを重ねていきましょう。(全ての曲において一秒間に三往復するのがベスト・・・なんていう記事をどこかで見かけたことがありますが、とんでもない誤りです。)また、ビブラートはかければかけるほど良い、という誤解もありますが、これもやりすぎはクドイ感じになってしまいますので、先ほどと同様にバランスよく適度にかけられるようにしていく必要があります。これもトレーニングをしながらコツをつかんでいきましょう。

さてそれでは、そんなビブラートを正しくかけていくための練習法を紹介していきます。まず一つ目の練習法は、救急車のサイレンのように音を高くしたり低くしたりするのを繰り返す練習です。最初はゆっくりで構いません。同じ高さから同じ低さまで、行って帰って・・・を繰り返しながら往復するスピードを速めていきましょう。勘のいい人はもうこの時点である程度コツがつかめているかもしれませんね。音程を高低させること、すなわち、声帯の作る空気の通り道の幅を広げたり狭めたりすること。この感覚がわかってくることでビブラートを自由自在に操るコツがつかめてきます。さらに二つ目の練習法ですが、音を大きくしたり小さくしたり交互にしていく練習です。あえてわかりやすく文字で書くと『あぁあぁあぁあぁあぁあぁあ・・・』という感じでしょうか。この『』内を声に出して読んでみるだけでもビブラートっぽい感じになるのではないかと思います。呼吸の量を調節しながら音を揺らしていく感覚を身につけましょう。以上二つの練習法でコツをつかんでいただきたいのですが、それでもピンとこない方は、声を出しながら実際に頭や身体を揺らしてみたり、(横隔膜の上げ下げをイメージしながら)みぞおちのあたりを押したり離したりを繰り返して声を揺らしてみましょう。携帯電話の着信音を鳴らしながら携帯電話自体を振ってみると音が揺れますよね。それに近い感覚です。このトレーニングだけでは技術的に正しいビブラートにはなりませんが、コツは非常につかみやすいのではないかと思います。苦手な方は是非試してみてください。

最後に、実際に歌うときにどのようにビブラートを活用していくべきなのか、についてお話しします。結論から言うと、歌唱表現の上で何が正しいビブラートなのかという問いには、正解はありません。何が正しいのかは個人の好き嫌いで決まります。ビブラートなんか要らない!という人もいれば、ビブラート至上主義!なんて人もいるかもしれません。ですので、自分がカッコイイ!気持ちイイ!と思えるビブラートを歌の中で出来ているボーカリストの歌い方のモノマネからスタートしましょう。そのボーカリストがどんなキッカケで、どんなタイミングで、どのようなビブラートを入れているのかをしっかりと聞きとって、できる範囲で真似してみましょう。それを録音して客観的に聞いてみて、カッコよく決まった!と思えればそれがあなたにとっての正解です。他人に意見を求めてみてもいいかもしれませんし、トレーナーに意見を求めれば、様々な具体例を提示してもらえるかもしれません。その中で自分にとって正しいビブラートを見つけていきつつ、理想を作り上げていくことが大事です。ただその際、思った通りにビブラートができないと悲しいですね。悔しいですね。思い描いた理想に近づくためには、ボイストレーニングをどんどんやっていくしかないでしょう。信頼の置けるトレーナーと共に、質の高いトレーニングを、楽しみながら積み重ねていきましょう!

それでは!今日も良いボイトレを!