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絶対音感と相対音感の違いと歌う上でのポイント

2018/11/14

こんにちは。当ボイストレーニングスクール講師の小瀬川祐美先生の写真
東京・吉祥寺 M&N Bit Of Sound ボイストレーニングスクール ボイストレーナーのゆみです。

今回は、前回の私の回「ピッチ、音程を良くするためのポイントと練習方法」の時に軽く触れましたが、音程を良くするコツの理解をもう一歩すすめて、絶対音感と相対音感の違いと歌う上でのポイント。のお話です。

そもそも、絶対音感、相対音感とは、、絶対音感(ぜったいおんかん、英語:Absolute pitch)は、ある音(純音および楽音)を単独に聴いたときに、その音の高さ(音高)を記憶に基づいて絶対的に認識する能力である。*絶対音感 -Wikipediaより*簡単に言うと、ポーンと音が鳴った時に、この音は絶対にこれはラ!と言える。のが絶対音感です。(簡単かな?)
一方、相対音感(そうたいおんかん、英語: relative pitch)は、基準となる音(純音および楽音)との相対的な音程によって音の高さを識別する能力である。*相対音感 -Wikipediaより*簡単にいうと、一音だけで判断するのではなく、他の音との対比によって音程を判断する。(簡単かな?)という事でしょうか。
一般的には、絶対音感は幼少期からのトレーニングにより養われる能力ですが、相対音感は年齢に関係なくトレーニング次第で向上される能力と言われています。

例えば、何も考えず、ただ童謡の「ぞうさん」を歌ってみてください。♪ぞーうさんぞーうさん♪のスタートの「ぞ」の音は皆さんが同じ音で歌っているでしょうか?高い音から始める人、低い音からはじめる人それぞれだったりしませんか?スタートの音が違っていても、皆さんが思い浮かべて鼻歌のように唄えるぞうさんですが、そしてどの人が歌っている「ぞうさん」も同じ「ぞうさん」という楽曲に聴こえると思います。どうでしょう。相対音感によって音程は違えど同じメロディラインに聞こえます。
更には、これが一番身近に感じやすくわかりやすいかも知れませんが、皆さんカラオケ屋さんに行った時、#♭マークを使ってキーを上げ下げした経験が一度はあるのではないかと思います。正にそれが、キーを動かしてもメロディラインは変わらない。相対音感を使っている。ということになります。
他の音、演奏や楽器の音を聞いて、それに合った音程で歌う。それが歌う上での相対音感の使い方です。前回私の回で書いた、楽譜が読めなくても演奏に合わせて歌えば良い。というのはここから来ています。

ポップスの発声は、クラッシックの発声と違い声区というのがないため、低音も高音も、表の声も裏声もハーフトーンも全て自分の声帯のコントロールで鳴らしていき、その選択は自由です。そのため、もちろん原キーで歌えるコントロール能力も大切ではありますが、「自分の声帯」で「自分の声」が一番良く聞こえるキーで歌う。というのも素晴らしい選択だと私は思っています。
キーを変えて歌う場合、絶対音感で歌ってしまうと、「ド」の音を「ミ」からスタートしたりするため、気持ち悪く感じてしまう場合があります。相対音感で歌えば、「ミ」から始まるそのメロディをそのまま歌えば良いので、気持ち良く歌うことが出来ます。
音楽をやる上で絶対音感がある。ということはとても魅力的なことだとは思いますが、歌を歌う上では相対音感があればいいのではないか。と思います。歌う上での相対音感。ぜひ高めていって欲しいと思います!